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睡眠時無呼吸症候群(SAS)

睡眠時の無呼吸・いびき

こんな症状はありませんか?

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に呼吸が断続的に止まり、体が低酸素状態を繰り返す病気です。呼吸器科では、睡眠中に起こる慢性的な呼吸障害として位置づけています。

  • 寝ている間に呼吸が止まっている、いびきが激しいと家族に指摘されたことがある
  • 日中に強い眠気があり、集中力が続かない状態が続いている
  • 朝起きたときに頭痛がする、喉が強く乾いていることがある

これらの症状は、睡眠中に十分な酸素が体に取り込めていない可能性を示しています。

呼吸器科が睡眠時無呼吸症候群を重視する理由

呼吸器科の視点から見ると、睡眠時無呼吸症候群は単なる睡眠の質の問題ではありません。睡眠中に呼吸が止まることで、肺・心臓・脳に継続的な負担がかかります。

  • 睡眠中に低酸素血症を何度も繰り返します。
  • 心臓や血管に慢性的なストレスが加わります。
  • 高血圧、心不全、不整脈、脳卒中の発症リスクが高まります。
  • COPDや喘息など、既存の呼吸器疾患を悪化させる要因になります。

なお、睡眠時無呼吸症候群はすぐに命に関わる病気であることは多くありませんが、治療せずに放置すると、年単位で心血管系の病気のリスクが徐々に高まることが分かっています。

原因と検査(呼吸器内科的アプローチ)

主な原因は、肥満や顎の形、舌の位置などにより、睡眠中に気道(空気の通り道)が狭くなることです。仰向けで寝ることで症状が強く出る方もいらっしゃいます。呼吸器科では、「いびきがあるかどうか」ではなく、どの程度呼吸が止まり、酸素が低下しているかを重視して評価します。

当院では、以下の検査を行っています。

簡易型睡眠検査

ご自宅で実施でき、睡眠中の無呼吸・低呼吸の回数や酸素飽和度を測定します。

検査結果は、AHI(無呼吸・低呼吸指数)という指標を用いて評価します。これは「1時間あたりに呼吸が止まる、または浅くなる回数」を示す数値で、SASの軽症・中等症・重症の判断基準になります。

睡眠ポリグラフ(PSG)検査

脳波も含めた精密検査であり、入院が必要であり当院では実施出来ません。
この検査が必要と判断した場合は提携医療機関と連携し、入院のうえ呼吸、心拍、酸素濃度、睡眠の深さなどを総合的に評価します。

治療方法(重症度に応じた呼吸管理)

治療の目的は、睡眠中の呼吸を安定させ、低酸素状態を防ぐことです。AHIの重症度や症状に応じて、治療法を選択します。

CPAP(シーパップ)

療法鼻に装着したマスクから空気を送り込み、睡眠中の気道を広げる治療です。中等症から重症の睡眠時無呼吸症候群に対する、最も標準的で効果的な治療です。

マウスピース治療

軽症の場合に適応となり、歯科と連携して下顎を前方に保つ装置の作成をご提案します。

生活習慣の改善

体重管理、飲酒習慣の見直し、寝る姿勢の調整など、呼吸状態を悪化させる要因を減らす指導を行います。
CPAP治療を開始することで、日中の眠気の改善や血圧の安定を実感される方も多くいらっしゃいます。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)に関するよくあるご質問

いびきがあるだけでも、睡眠時無呼吸症候群の可能性はありますか?

はい、可能性はあります。特に大きないびきや、途中で止まるようないびきがある場合は、睡眠時無呼吸症候群が隠れていることがあります。

自分ではしっかり眠れているつもりですが、検査は必要でしょうか?

必要な場合があります。睡眠時無呼吸症候群はご本人の自覚が乏しいことが多く、眠れている感覚があっても、実際には呼吸が止まっていることがあります。

日中の眠気だけで受診しても問題ありませんか?

はい、問題ありません。日中の強い眠気や集中力の低下は、睡眠中の低酸素状態が原因となっていることがあり、受診の重要なきっかけになります。

睡眠時無呼吸症候群はすぐに命に関わる病気ですか?

多くの場合、すぐに命に関わる病気ではありません。ただし、治療せずに放置すると、年単位で高血圧や心臓病、脳卒中などのリスクが高まることが分かっています。

重症かどうかは、どのように判断するのですか?

AHI(無呼吸・低呼吸指数)という指標を用いて判断します。これは、1時間あたりに無呼吸や低呼吸が何回起こるかを示す数値で、軽症・中等症・重症の分類に用いられます。

簡易検査だけで診断はできますか?

簡易検査である程度の評価は可能ですが、結果によっては睡眠ポリグラフ(PSG)検査が必要になることがあります。重症度や治療方針を正確に決めるために重要な検査です。

CPAP治療は一生続けなければなりませんか?

必ずしも一生続ける必要はありません。体重減少や生活習慣の改善により、治療内容を見直せる場合もあります。ただし、自己判断で中止することは避けてください。

CPAPは苦しくないのでしょうか?

開始当初は違和感を覚える方もいらっしゃいますが、多くの方が徐々に慣れていきます。設定調整やマスク変更により、快適に使用できるよう対応します。

痩せていても睡眠時無呼吸症候群になりますか?

はい、なります。肥満がなくても、顎の形や気道の構造が原因となり、睡眠時無呼吸症候群を発症することがあります。

どの診療科を受診すればよいですか?

睡眠時無呼吸症候群は「呼吸の異常」が本質であるため、呼吸器内科の受診がおすすめです。必要に応じて、歯科や専門施設と連携して診療を行います。

睡眠時無呼吸症に関するまとめ

医師からのメッセージ

睡眠時無呼吸症候群は、いびきの延長ではなく、夜間に起こる呼吸の病気です。すぐに命に関わることは少ないものの、放置すると長期的に心臓や血管に悪影響を及ぼします。

夜間十分な睡眠ができないため日中に眠気が強く、仕事でミスが増えたり交通事故などを起こしてしまう場合もあります。

早期に診断し、適切な治療を行うことで、将来的な合併症を防ぐことが可能です。いびきや日中の眠気が気になる場合は、早めに呼吸器内科へご相談ください。